薬の服用に注意が必要な人

子どもと薬

 こどもは臓器が未成熟なため、薬の代謝や排泄などの機能が不安定です。このため、薬が体内に残って副作用が現れやすく、アレルギー反応も出やすいとされています。

 医師は子どもの体重、全身状態や症状に合わせて薬の量を調節しますので、指示をよく守って使用することが大切です。

 副作用が起こっても子どもは上手に伝えられないことがあり、容体が急変することもあります。子どものようすに十分に気をつけ、薬を使用するときの注意点を医師に確認するようにしましょう。

 子どもの薬は、大人の薬と同じ有効成分で、飲みやすい形に工夫されています。小学校低学年までは、口やのどが発達途中なので、錠剤や散剤(粉薬)を飲むことが苦手です。そのため甘みや香りのあるとろっとしたシロップ剤がさまざまな薬で用意されています。服用するときには、量の過不足がないようにきちんと量り、スプーンやスポイトなどで飲ませてください。変質しやすいので、冷蔵庫で保管し、使用期限をつねに確認するようにしましょう。

 散剤が赤ちゃんに処方された場合、散剤をそのまま飲ませるとむせるので、シロップや水などに溶かして飲ませます。母乳やミルクに混ぜると、苦い薬だと、母乳やミルクを嫌いになることがあるため、やめましよう。

 子どもに薬を飲ませた後、ようすがおかしい、症状が改善しないというときは、早めに医師や薬剤師に相談してください。

高齢者と薬

 高齢者は、からだや病気の状態に大きな個人差があります。また、からだのいろいろな機能が衰えており、薬の代謝・排泄に関係する肝臓や腎臓の機能も低下しているため、薬の服用には注意が必要です。

 さらに慢性病があると、同じ薬を長期間連用して、薬が体内に蓄積しやすくなり、思わぬ副作用が現れることがあります。高齢者は、副作用が現れても我慢したり、顕著な症状が現れずに見過ごされたりすることがありますので、家族や周囲の人が十分に注意する必要があります。医師が必要と認めれば、薬剤師が自宅を訪問し、薬を届けたり、薬の相談に応じてもらえます。

妊娠中や授乳中の人と薬

 妊娠中に薬を服用すると、胎児に影響して先天異常児が生まれる可能性があります(催奇形性)。とくに、妊娠初期の4〜15週目は、胎児のさまざまな器官がつくられる時期なので、慎重を期す必要があります。

 妊娠中期以降でも、こどもに障害が起こる例はありますので、妊娠中の薬の服用は全期間にわたり、できるだけ避けるようにしましょう。妊娠中に薬の使用が必要なときには、産婦人科医に相談し、できるだけ安全な薬を選んでもらってください。

 授乳中の母親が薬を飲むと、どのような薬でも少しは母乳の中に出てきます。その出てくる割合と、乳児に与える影響を考えると、授乳中も薬の服用には慎重になったほうがよいのですが、授乳は重要なので、医療機関にかかる場合は授乳中であることを医師にかならず伝えてください。

運転や機械を操作する人と薬

乗り物の運転や機械を操作する人の場合、眠気やめまい、倦怠感、脱力感などを起こす可能性のある薬には注意が必要です。運転前などは、このような副作用のある薬は飲まないようにしましょう。薬を服用する場合は、医師や薬剤師に必ず相談してください。

参考資料「家庭の医学」